野菜ジュースでもなく、酵素ドリンクでもない“スムージー”。
1900年代にアメリカで生まれました。野菜や果物、牛乳やヨーグルトなどを凍らせてミキサーにかけて作っていたものが、幅広くアレンジされて、今では定番のダイエットドリンクと位置づけされています。
スムージーの酵素
酵素というのは、消化に使われるだけではなく、人間の生命活動に深く関わっている重要な栄養素です。酵素は、ミネラルの周りにタンパク質が巻き付いている構造で、そのミネラルの種類やタンパク質の巻き付き方によって違いがあり、数千種類におよぶ様々な働きをする酵素があるといわれています。もともと体内に存在する消化酵素や代謝酵素を体内酵素といい、身体の外から摂り入れる酵素を体外酵素といいます。体外酵素は食物から摂取する食物酵素のことです。
野菜や果物には、食物酵素が豊富に含まれているので、たくさん摂りたい食品です。酵素は熱に弱いため、食品を生の状態で食べなければ、食物酵素を摂ることはできません。そのため、生の野菜や果物からつくる“酵素スムージー”を摂ることは、食物酵素を毎日手軽に摂ることができる効率の良い方法です。
食物酵素の働き
食物酵素の働きは、主に消化を促進することです。体内に吸収されずに、食べ物を消化しやすい状態にして、食品そのものの栄養素を強化します。消化酵素の分泌を抑えるので、胃腸への負担を軽減します。体内では、消化酵素の消費が少なくなり、消化に対しての負担も軽減され、体内の酵素の働きを高めることになります。結果的に、新陳代謝が活発になって、免疫力がアップすることで、病気を防ぎ、肌や髪などの美容効果にも良い影響を与えることに?がります。
このように食事から食物酵素を摂取しても、身体に直接的に影響を与えることはありませんが間接的に重要な働きをしています。
炭水化物を分解する酵素アミラーゼ
唾液や膵液などにも含まれているアミラーゼですが不足してしまうと、炭水化物(糖質)の消化と吸収ができなくなります。すると、身体は炭水化物を欲しがり、つい食べ過ぎてしまいます。また、炭水化物が消化不良を起こすと、腸内に残留して腐敗ガスを出し、肌荒れなどを起こす原因にもなります。アミラーゼを摂ることで胃腸の負担を減らし、胃もたれや胸焼けを防ぐこともできます。
野菜類…大根、キャベツ、レタス、ほうれん草、ブロッコリー、アボカド
果物類…バナナ、梨、ブドウ、もも、リンゴ、プルーン
タンパク質を分解する酵素プロテアーゼ
プロテアーゼが不足してタンパク質が上手く吸収されないと、カルシウムが全身の細胞に運ばれなくなり、骨粗しょう症や関節炎などの骨に問題が起こります。プロテアーゼは、身体の修復を早める働きがあり、免疫力の強化にも効果的な酵素です。
野菜類…セロリ、パセリ、大根
果物類…パイナップル、キウイ、パパイヤ、イチジク
脂肪を分解する酵素リパーゼ
脂肪の消化と吸収を助けるリパーゼが不足すると、コレステロールや中性脂肪が増えてしまいます。脂肪を燃焼させて太りにくい体質になるので、ダイエットには大変有効な酵素です。
野菜類…トウモロコシ、ほうれん草、ニンジン、トマト、ピーマン
果物類…アボカド、イチゴ、スイカ
酵素の効果的な摂り方
食物酵素は細胞の中に存しています。そのため、ミキサーで酵素スムージーを作るのが一番良い摂り方です。ビタミンやミネラル、食物繊維も加わり、効率よく栄養が補給できます。食物の皮にも酵素が含まれているので、食べられるものは皮ごとミキサーに入れるのが効果的です。